こども嫌いでしたが、こどもに関わる会社始めました。

中国で子供向けエンターテイメントコンテンツを提供する会社をやっています。

中国の「よいこ」とは?

皆さんのイメージする良い子ってどんなイメージですか?

元気な子、優しい子、真面目な子、一生懸命な子、色々有ると思いますが、中国の伝統的な概念では、よいこは「聞き分けの良い子」と言う意味である事が多いです。
大人の言う事によく従う子=良い子。

中国は両親が共働きでおじいちゃんおばあちゃんが子守りをするという生活パターンが多く見られます。昼間公園で見かけるのは殆どがこどもとおばあちゃんだったりします。よく見ると、何かずーーーっと子供に声を掛けています。試しに砂遊びをしている子に耳を澄ましてみると…?


「服が汚れるから座っちゃダメ、しゃがんで。そっちはでこぼこしてるからこっちにしゃがんで。このシャベル使って山を作ってみれば?そうじゃない、そこにまき散らさないで、ここに。そうそう。あーあー、手でやらないでシャベル使って。そレジャ大きいから小さいほうのシャベルで。あーあーあー、そーっとやりなさい、服が汚れるよ。あーあー、そっちからやったら崩れるよ。こっちから、もう一回、ほら。あー、出来た出来た。じゃその枝刺してみれば?その枝、それじゃない大きすぎるよ。」

 

「うーるーさーい!!もう放っておいてー!!」


ついつい傍で聞いていた私がその子の気持ちになって叫びたくなりました。
若い世代だともう少し子供の自主性についての理解もあるようで、子供に構い過ぎる姑ともう少し自由にさせたい嫁の争いもたまに目にします。

こういう風景を毎日見かけて、今の中国の児童教育コンテンツはこのおばあちゃんの気持ちで作られているのだとよくわかりました。そう、とにかくお節介。
ケガをしないように、服が汚れないように。

それどころかこう遊んだら面白い、こういう時はこう思うだろうからこう言おうなどなど、とにかく指示が細かく多いのです。それを全部理解して全てに従う子を良い子というのなら、それはもうロボットなのではと思ってしまうほど。

実際、先ほどの砂遊びの子は文句も言わずに大体は従っていたけれど、私はその様子を「よいこ」とは思えませんでした。こどもには手が汚れたりちょっとした擦り傷に気付かないほど夢中になって砂だらけになって遊んで欲しいし、それを中断されたら怒るくらいの自分の意思を持っていて欲しい。だって、傷はすぐ治るし汚れだって洗えば落ちるけど、その時気付いたことは将来に繋がる小さな大発見かも知れないから。実際こどもの遊びをよく観察してみると、私達大人には無意味に思えることからいろんな発見をしているのが分かる時があります。

 

私はこども達にそういう発見をするきっかけだけを与えてあげたいと思っています。面白そうな匂いだけさせておいて、あとは放っておく。できればその「面白そうな匂い」だって自分で探して欲しいのですが、今の社会で安全や環境を考えると難しいことがありますよね。
だから安全に放っておく為の場所を作るために、今頑張っているところです。