こども嫌いでしたが、こどもに関わる会社始めました。

中国で子供向けエンターテイメントコンテンツを提供する会社をやっています。

交渉という技術。その3:交渉力を最短でアップさせる方法。

交渉の話、続きです。

交渉という技術。その1:あなたは何故ぼられるのか? - こども嫌いでしたが、こどもに関わる会社始めました。

交渉という技術。その2:自分のルール、相手のルール。 - こども嫌いでしたが、こどもに関わる会社始めました。

 

72時間が経過してもまだ進展がない人質事件ですが、今も尚水面下での交渉が続いていることと思います。関係者のプレッシャーは想像を絶するものがあると思います。

 

その1,2で、日本人が他の国と交渉していく大変さを書きました。その上で更に特徴的だと思うのは、日本の場合エリートの人ほど交渉に不慣れな場合が多いと言うことです。交渉が日常的に行われる国では、一人ひとり自己主張が強くまた交渉技に長けた部下を管理出来なければ組織のトップは続けられません。ということは国のトップというのは、云わばその「交渉トーナメント」を勝ち進んできた人達です。その1で書いたように、普通の庶民ですらあのレベルなので、どれ程高レベルの戦いをして来たか、私には想像も出来ません。

 

それに比べ、日本はガツガツと交渉するのはガラが悪いイメージがあり、生活水準や教育レベルの高いエリートほどそういう争いとは無縁で生きて来た人が多いと思うのです。たまにそのような地位に方とお会いしたり、関係者から聴く話だと、やはり皆穏やかで品の良い方達ばかりでした。

 

中国語には英語のように、「言ってはいけない言葉や表現」があります。それらはもちろん学校では教えないので、中国人の生活に接しなければ耳に入ることもがなく、きちんと中国語勉強した人に限って知らない場合が多いです。しかしその「言ってはいけない言葉」にこそ、そこに住む人達の気質が見え隠れしていたりするものです。英語と同じく、悪い意味から転じて凄くほめる時にも使われたり、地域によって違ったり、普段は堅い上司が腹を割って部下と話す時にはわざとスラングを使つと砕けた印象になるとか、時と場合と相手によって絶妙に使い分けられています。

 

海外で重要な交渉をするポジションの人ほど、外国人が集まる安全な地域で生活をしています。それはもちろん大切ですが、しっかり守られた安全な場所からは庶民の暮らしが見えません。庶民の暮らしが見えなければ、彼らの上に立つ人の背景や考え方も見えてこないのはないでしょうか?世間知らずな外国人ボスの下でローカルスタッフやベンダーが自由に羽を伸ばすことは良く見る光景で、そういう人こそ自分のスタッフは皆人が良いと思っている場合が多いです。また部下を見るとボスの力量が分かるというもまた事実です。

 

じゃあどうするか?交渉力を短時間で身につけるには、定価が無く日常的に交渉を使う国で、最低3ヶ月位現地の庶民が暮らすアパートに住み、そこの平均月収の所持金で生活するのが一番です。まずは野菜の値段を交渉するところから始めれば、自然とどういう表現が効果的か、周りがどのような作戦で値切っているのか、そこの人達に取ってのアメと鞭は何か、身についていくのではと思います。私は狙った訳でなく、来た当初ただ単にお金と知り合いがいなかったのでしょうがなくそういう生活をしていたのですが、今となっては大分役に立っていると実感します。割と真面目にいい方法だと思うので、根性と時間がある人はやってみたらどうでしょうか?もし何かトラブルが起こったらそれもまた特別授業、今後起こりうるトラブルの縮小版なのかもしれません。